Cowork 入門 — Claude にタスクを任せよう
Claude の Cowork(コーワーク) は、Claude Desktop アプリに搭載されたナレッジワーク向けのエージェント機能です。普通のチャットとは異なり、ファイルの読み書き、外部サービスとの連携、繰り返し作業の自動化など、実際の「仕事」を Claude に任せられます。
この記事では、Cowork のセットアップから最初のタスク実行まで、ステップバイステップで解説します。
Cowork とは — 「会話」ではなく「タスク実行」
普通のチャット(Chat モード)では、Claude は「質問に答える」「文章を書いてもらう」など、返事を返すことが中心です。一方、Cowork は Claude が自分から動いて作業を進めるモードです。
たとえば、こんなことが可能です。
- ファイル操作: 「このフォルダの PDF をすべて読んで、内容を一覧にして」と指示すると、Claude がフォルダ内のファイルを一つひとつ開いて情報をまとめてくれます
- スケジュール実行: 「毎朝 9 時に今日のタスクをまとめてメールに送って」のように、定期的なタスクを自動化できます
- 外部サービス連携: Slack や Notion、Gmail などと連携し、「Slack の特定チャンネルをサマリーして Notion のページに書き込んで」といった複数ツールをまたぐ作業もこなします
Chat モードとの違い
| Chat モード | Cowork モード | |
|---|---|---|
| 動かし方 | 質問・返答のやりとり | タスクを指示して実行させる |
| ファイルアクセス | 添付ファイルのみ | パソコン内のフォルダ・ファイルに直接アクセス可 |
| 外部サービス | なし | Slack、Notion、Gmail 等と連携可 |
| 定期実行 | なし | スケジュール設定で自動化可 |
| 向いている用途 | 質問、相談、文章作成 | ファイル整理、レポート作成、反復作業の自動化 |
Cowork はどんな人に向いている?: 毎日同じような作業を繰り返している方、大量のファイルをまとめて処理したい方、複数のツールをまたいで情報を整理したい方に特に役立ちます。プログラミングの知識がなくても使えます。
Microsoft 365 でも Cowork 技術が使える: 2026年3月、Microsoft は「Copilot Cowork」を発表しました。Anthropic の Claude Cowork 技術基盤を採用しており、Microsoft 365 環境内で自律的にタスクを実行できます。会議スケジュールの調整からメール調査、PowerPoint 資料の作成までを一連の流れで自動処理します。現在は早期プログラム「Frontier」向けに提供中です。
利用できるプラン
Cowork は Pro プラン以上で利用できます。Free プランでは Chat モードと Code モードのみ使用可能です。まずは無料プランで Claude の使い心地を確認してから、必要に応じてアップグレードするのがおすすめです。
| プラン | 月額 | Cowork |
|---|---|---|
| Free | 無料 | 利用不可 |
| Pro | $20 | 利用可(通常制限あり) |
| Max 5x | $100 | 利用可(高い上限) |
| Max 20x | $200 | 利用可(最優先) |
動作環境 — デスクトップアプリが必要
Cowork は Claude Desktop アプリ(パソコン用のアプリ)の機能です。ブラウザ版の claude.ai では使えません。
対応 OS
- macOS: macOS 12(Monterey)以上
- Windows: Windows 10 / 11(64bit)
なぜデスクトップアプリなのか
Cowork がパソコン上のファイルを操作したり、外部サービスと連携したりするためには、ブラウザではできないシステムレベルのアクセスが必要です。Claude Desktop アプリをインストールすることで、Claude が安全な作業スペース(パソコン内の隔離された専用環境)を通じてこれらの操作を実行できるようになります。
プライバシーと安全性: Claude がアクセスできるフォルダやサービスは、あなたが明示的に許可したものだけです。初回のフォルダアクセス時には確認ダイアログが表示されます。
セットアップ — 3 ステップで準備完了
ステップ 1: Claude Desktop アプリをインストールする
- claude.ai/download にアクセスします
- 「Download for Windows」ボタンをクリックして
.exeインストーラーをダウンロードします - ダウンロードした
.exeファイルをダブルクリックしてインストーラーを起動します - 画面の指示に従ってインストールを完了します
- スタートメニューまたはデスクトップのショートカットから Claude を起動します
ステップ 2: ログインして Cowork モードに切り替える
- Claude Desktop を起動すると、ログイン画面が表示されます
- claude.ai のアカウント(メールアドレス)でログインします
- アプリが起動したら、左側のサイドバー(または画面上部のメニュー)から「Cowork」タブをクリックします
つまづきポイント: ログイン後に Cowork タブが見当たらない場合は、Pro プラン以上のアカウントでログインしているか確認してください。Free プランでは Cowork タブが表示されません。
ステップ 3: フォルダアクセスを許可する
Cowork を初めて起動すると、「どのフォルダにアクセスしますか?」という設定画面が表示されます。
- 「フォルダを追加」をクリックします
- Claude にアクセスを許可したいフォルダを選択します(例: 「ドキュメント」フォルダや仕事用のフォルダ)
- 「許可」をクリックして確定します
許可したフォルダ内のファイルにだけ、Claude がアクセスできるようになります。許可していないフォルダのファイルは読めません。これはセキュリティ上、とても大切な設計です。
おすすめの初期設定: 最初は「デスクトップ」や「ドキュメント」フォルダだけを許可して始めましょう。後から追加・削除できるので、試しながら範囲を広げていくのが安全です。
最初のタスクを実行する
セットアップが完了したら、実際にタスクを実行してみましょう。
やってみよう: フォルダのファイル一覧を作る
一番かんたんな入門タスクとして、フォルダ内のファイル名を一覧にしてもらいましょう。
入力例:
デスクトップの「プロジェクト資料」フォルダの中にあるファイルをすべて確認して、
ファイル名と更新日時の一覧を表で作成してください。
Claude の動き:
- 「プロジェクト資料」フォルダを開きます
- ファイルを一つひとつ確認します
- 表形式で一覧を作成してチャット画面に表示します
タスクが実行されると、画面右側に「Claude が実行した操作の記録」(操作ログ)が表示されます。Claude が何をしたかをリアルタイムで確認できます。
やってみよう: 複数ファイルをまとめて処理する
次は少し応用。複数の PDF やドキュメントの内容をまとめてもらいましょう。
入力例:
「議事録」フォルダの中にある Word ファイルをすべて読んで、
それぞれの会議の日付・参加者・決定事項をまとめた一覧表を作ってください。
まとめた内容は「議事録サマリー.docx」というファイル名でデスクトップに保存してください。
この例では Claude が以下の手順を自動で実行します。
- 「議事録」フォルダ内の全 Word ファイルを開く
- 各ファイルから日付・参加者・決定事項を抽出する
- 表形式にまとめる
- デスクトップに
議事録サマリー.docxとして保存する
つまづきポイント: Claude が「ファイルが見つかりません」と答えた場合、そのフォルダがアクセス許可に含まれているか確認してください。設定 > フォルダアクセスで確認・追加できます。
タスクの書き方 — 良い指示の出し方
Cowork の結果は、タスクの指示をどう書くかで大きく変わります。具体的であるほど、期待通りの結果が返ってきます。
悪い例と良い例
例 1: ファイル整理
| 指示の内容 | |
|---|---|
| 悪い例 | 「ファイルを整理して」 |
| 良い例 | 「デスクトップにある 2025 年以前の日付のファイルを「アーカイブ」フォルダに移動して。フォルダがなければ作成して」 |
例 2: レポート作成
| 指示の内容 | |
|---|---|
| 悪い例 | 「売上データを分析して」 |
| 良い例 | 「ドキュメントフォルダの「sales-2026Q1.csv」を読んで、月別の売上合計と前月比(%)を表にまとめて。グラフも作ってレポートに含めて」 |
例 3: 定期タスク
| 指示の内容 | |
|---|---|
| 悪い例 | 「毎日レポートを送って」 |
| 良い例 | 「毎朝 8:30 に「売上データ」フォルダの最新ファイルを確認して、前日との差分をまとめた日次レポートを sales@example.com に送って」 |
タスク指示のコツ
- 対象ファイルやフォルダのパスを明確に: 「このファイル」ではなく「デスクトップの〇〇フォルダの〇〇.xlsx」のように
- 完成形を伝える: 「整理して」より「〇〇というフォルダに日付順で保存して」
- 保存場所を指定する: 「保存して」だけでなく「デスクトップに〇〇.docx として保存して」
- 条件を明確に: 「古いファイル」ではなく「2024 年より前のファイル」
進行状況の確認と方向転換
Cowork がタスクを実行している間、何が起きているか確認できます。
実行ログを見る
タスク実行中、画面右側(または下部)に「操作ログ」が表示されます。
- どのファイルを開いたか
- 何を読み取ったか
- どんな操作をしたか
が順番に記録されます。「今どこまで進んでいるか」がわかるので安心して待てます。
途中で止める
タスクが期待と違う方向に進んでいると感じたら、いつでも止められます。
- 「停止」ボタン(または「Stop」ボタン)をクリックすると、Claude はすぐに作業を止めます
- その後、追加で指示を入力して方向を修正できます
修正の例:
ちょっと待って。アーカイブフォルダに移動するのはいいけど、
2024 年のファイルはそのままにして。2023 年以前だけ移動してください。
このように、途中で指示を追加・修正しながらタスクを進められるのが Cowork の便利な点です。
つまづきポイント: Claude が止まらない場合は、アプリウィンドウを閉じてもタスクは停止します。重要なファイルを扱う前は、必ずバックアップを取る習慣をつけましょう。
スケジュールタスク — 繰り返しの仕事を自動化する
毎日・毎週同じ作業を繰り返している場合、スケジュール機能を使えば Claude に自動化してもらえます。
スケジュールの設定方法
- Cowork のタスク入力欄に「毎日〇時に〜してください」と入力します
- Claude がスケジュール設定を提案します
- 確認して「設定する」をクリックします
- 設定画面(Cowork > スケジュール)でいつでも確認・変更・削除できます
スケジュールタスクの活用例
日次レポートの自動作成:
毎朝 8 時に、「報告書」フォルダの最新ファイルを読んで、
前日分のサマリー(箇条書き 5 項目)を作成して、
「日次サマリー.txt」というファイルをデスクトップに保存してください。
週次サマリーの送付:
毎週金曜日の 17 時に、今週追加・更新されたファイルの一覧をまとめて、
team@example.com に週次サマリーとして送ってください。
件名は「週次ファイル更新サマリー(〇月〇日週)」にしてください。
定期的なデータ整理:
毎月 1 日の 9 時に、「受信ファイル」フォルダの中身を確認して、
前月分のファイルを「アーカイブ/〇年〇月」フォルダに移動してください。
つまづきポイント: スケジュールタスクはパソコンの電源が入っており、Claude Desktop が起動している場合のみ実行されます。電源が切れていたり、スリープしていたりすると、その時間のタスクはスキップされます。重要な自動化はタスクが実行されたかを翌日に確認する習慣をつけましょう。
外部サービス連携 — Slack・Notion・Gmail と繋げる
Cowork はプラグインを使って外部サービスと連携できます。連携することで、複数のツールをまたぐ作業も Claude 一つでこなせるようになります。
連携できる主なサービス
- Slack: チャンネルのメッセージを読んでサマリーを作成、重要な情報を Notion などに転記
- Notion: ページの作成・更新、データベースへの書き込み
- Gmail / Google Workspace: メールの送受信、カレンダーの確認・作成、スプレッドシートの読み書き
- GitHub: コードのレビュー、イシューの管理(エンジニア向け)
- その他: Jira、Asana、Dropbox など
プラグインの追加方法
- Cowork の画面左側(または設定メニュー)から「プラグイン」をクリックします
- 連携したいサービスのプラグインを選択します
- 「インストール」をクリックし、そのサービスの認証(ログイン)を行います
- 権限の確認画面が表示されるので、必要な権限だけを許可して「接続」をクリックします
Slack + Notion 連携の活用例:
Slack の #general チャンネルの今日のメッセージをすべて読んで、
重要な情報・決定事項・アクションアイテムをまとめて、
Notion の「ミーティングメモ」データベースに今日の日付で追加してください。
つまづきポイント: プラグインを追加したのに「そのサービスにアクセスできません」と表示される場合は、認証が切れている可能性があります。プラグイン設定画面から「再接続」をクリックして、もう一度ログインしてみてください。
プラグインの詳細な使い方については「Cowork プラグイン — 機能を拡張しよう」を参照してください。
セキュリティと安全性
「Claude がパソコンの中を自由に操作できるなんて怖い」と感じる方もいるかもしれません。Cowork にはいくつかの安全の仕組みが組み込まれています。
許可したフォルダだけアクセスできる
セットアップ時に許可したフォルダ以外には、Claude はアクセスできません。フォルダの追加・削除は「設定 > フォルダアクセス」からいつでも変更できます。
削除は確認が必要
ファイルの削除など、元に戻せない操作をしようとした場合、Claude は必ず確認を求めます。「本当に削除しますか?」という確認なしに、ファイルが消えることはありません。
操作ログがすべて残る
Claude が実行した操作はすべてログに記録されます。「Claude が何をしたか」を後から確認できるので、問題が起きたときに原因を特定しやすくなっています。
ネットワーク通信の制御
Cowork がインターネットに接続する場合(外部サービス連携など)、最初に許可を求めます。あなたが許可した範囲以外の外部通信は行いません。
おすすめのセキュリティ習慣: 重要なファイルを扱う前は、あらかじめバックアップを取っておきましょう。また、見知らぬプラグインは信頼できるものだけをインストールし、不要になったプラグインはこまめに削除する習慣をつけてください。
次のステップ
Cowork の基本をマスターしたら、さらに活用の幅を広げましょう。
- Cowork プラグイン — 機能を拡張しよう — Slack、Notion、Gmail などの外部サービスとの連携を深める
- Claude Desktop アプリの使い方 — Chat モードと Cowork モードを使い分けるコツ
- Claude Web(claude.ai)の使い方 — ブラウザ版との違いと使い分け方
- プロンプトの基本 — Claude にうまく指示を出すテクニックを学ぶ