Claude マニュアル

日報・週報・報告書を Claude で作る

「今日も日報を書かないといけない。でも何を書けばいいか毎回迷う」

この感覚、心当たりがあれば、Claude が解決してくれます。日報・週報・報告書の「書く」部分は Claude に任せて、あなたは「振り返り」と「判断」に集中する——それが、この記事で紹介する使い方です。


日報・週報が続かない本当の理由

日報が続かないのは、意志が弱いからではありません。「気合い」の問題ではなく、「仕組み」の問題です。

OPTEMO のエンジニア田代氏は、2020年から毎日日報をつけ続けた経験をもとに「日報は気合いじゃなく仕組みで続ける」と語っています。毎日続けられる人は、書くための仕組みを持っているだけです。

続かない理由は大きく2つあります。

  1. 白紙から書き始めるコスト — 何を書けばいいか毎回考えなければならない
  2. 整形の手間 — 箇条書きメモを「読みやすい日報」に整える時間が惜しい

Claude はこの2つをまとめて解決します。あなたが今日やったことを箇条書きで貼り付けるだけで、日報の形式に整えてくれます。


Level 1:コピペで日報を作る

基本の使い方

今日やったことをメモしておいて、それを Claude に渡すだけです。

手順:

  1. 仕事中、やったことを箇条書きでメモしておく(Slack、メモアプリ、なんでも可)
  2. 終業前に claude.ai を開く
  3. 下のテンプレートをコピーして、メモを貼り付ける
今日の作業ログをもとに日報を作成してください。

【今日やったこと(メモ)】
(ここに箇条書きで貼り付ける)

【フォーマット】
- 今日の主な業務(3〜5項目)
- 進捗・成果
- 課題・懸念事項
- 所感
- 明日の予定

【条件】
- 社内向け。読者は直属の上長
- 全体で300〜400字程度
- 箇条書きと文章を組み合わせる

メモはどんな形式でも OK

「A社の資料修正。Bさんに確認依頼。定例ミーティング。メール10通」のような断片的なメモで十分です。Claude が前後の文脈を補いながら、読みやすい日報に整形します。

日報テンプレート(コピペで使える)

以下のテンプレートをそのままコピーして、()の部分を自分の情報に差し替えてください。

以下のメモをもとに、日報を作成してください。

【メモ】
(今日やったことを箇条書きで)

【私の役職・業務】
(例:営業部 / 法人向け新規開拓担当)

【読者】
(例:部長)

【求めるフォーマット】
■ 本日の業務
(箇条書きで3〜5項目)

■ 成果・進捗
(数字や具体的な変化があれば記載)

■ 課題・懸念
(なければ「特になし」で可)

■ 所感・気づき
(2〜3文)

■ 明日の予定
(箇条書きで2〜3項目)

【文字数】300〜400字

週報テンプレート(コピペで使える)

以下の素材をもとに、週報を作成してください。

【今週の作業メモ(月曜〜金曜)】
(各日のメモを箇条書きで)

【私の役職・業務】
(例:マーケティング部 / SNS担当)

【読者】
(例:チームリーダー・部長)

【求めるフォーマット】
■ 今週の成果・完了タスク

■ 進行中のタスクと進捗率

■ 課題・来週に持ち越す問題

■ 来週の計画(主要タスク)

■ 所感・学び

【文字数】500〜700字

つまづきポイント:Claude が「よく頑張りました」のような感想を書いてくる

プロンプトに「感想・励ましの言葉は不要です。事実ベースで書いてください」と一言追加することで解決します。ビジネス文書らしいドライなトーンになります。


Level 2:カレンダー・チャットから自動生成する

カレンダーの予定を日報に変換する

Google カレンダーの予定一覧をコピーして、そのまま Claude に渡す方法です。

手順:

  1. Google カレンダーの「日表示」または「週表示」を開く
  2. その日(週)の予定をすべてテキストでコピーする
  3. 以下のプロンプトに貼り付けて送る
以下は私の今日のカレンダー予定です。
これをもとに日報を作成してください。
実際に参加した会議・作業の内容を推測しながら、
ビジネス文書として自然な日報に整えてください。

【カレンダー予定】
(カレンダーの予定をここに貼り付ける)

【追記事項】
(カレンダーに載っていない作業があれば箇条書きで)

■ フォーマット:
- 本日の主な業務(3〜5項目)
- 成果・進捗
- 明日の予定
- 所感

予定名だけでも OK

「10:00 A社定例」「14:00 採用面接×2名」のような予定名だけでも、Claude はそこから合理的な内容を推測して文章化します。「会議の内容は自分で修正する」という前提で使うと効率的です。

Slack・チャットの要約を週報に組み込む

今週のコミュニケーションログを週報に反映する方法です。

以下は私の今週の Slack のやり取り(抜粋)です。
このコミュニケーションをもとに、週報の「今週の動き」セクションを作成してください。
顧客名・プロジェクト名は仮名に置き換えて構いません。

【Slack のやり取り(今週分の抜粋)】
(コピーして貼り付ける)

■ 以下の形式で出力してください:
- 主なコミュニケーション・連携事項(箇条書き)
- 解決した課題
- 未解決の懸念点

社内情報のセキュリティに注意

Slack のやり取りには顧客名・金額・個人名などの機密情報が含まれることがあります。Claude に渡す前に、以下の対処を検討してください。

  • 顧客名 → 「A社」「B社」に置き換える
  • 個人名 → イニシャルや「Aさん」に置き換える
  • 金額・契約内容 → 「〇〇円規模」「大型案件」のように抽象化する

claude.ai の会話はデフォルトでモデルの学習に使用されませんが、社内のセキュリティポリシーとの整合を必ず確認してください。


報告書・提案書の下書きを作る

「80点の下書き」を5分で用意する

報告書や提案書の作成でよく起きる問題は、「白紙から書き始めると2〜3時間かかる」ことです。Claude を使えば、構造と素材を渡すだけで80点の下書きが5分で出来上がります。

KDDI の minorun365 氏は、この考え方を「仕様書駆動」と呼んでいます(Qiita 記事)。PLAN.md(計画)・SPEC.md(仕様)・TODO.md(タスク)・KNOWLEDGE.md(知識)の4文書を用意し、Claude に渡すことで、経費精算を30分から5-10分に短縮するなどの成果を上げています。プレゼン資料の自動生成にも応用しているとのこと。

あなたがすること:

  1. 報告書の「目的」「背景」「伝えたいこと」を箇条書きにする(5分)
  2. Claude に渡して下書きを生成させる(1〜2分)
  3. 事実確認・数字の修正・自分の言葉への調整(10〜15分)

合計20分程度で、従来1〜2時間かかっていた報告書が完成します。

基本プロンプト

以下の素材をもとに、報告書の下書きを作成してください。

【目的】
(例:新規システム導入の承認を得る)

【背景・現状の課題】
(箇条書きで)

【提案内容】
(箇条書きで)

【期待効果】
(数字や具体的な変化があれば)

【懸念事項・リスク】
(把握しているものを)

【読者】
(例:部長・役員会)

【文体・トーン】
(例:フォーマル、簡潔に)

【目標文字数】
(例:800〜1,000字)

トーン別に出し分ける

同じ内容でも、読者によって表現を変える必要があります。Claude は「トーン指定」だけで自動的に調整します。

社内向け(チームメンバー・直属の上長宛)

以下の素材をもとに報告書を作成してください。
読者は私の直属の上長と同じチームのメンバーです。
背景知識が共有されているため専門用語を使って構いません。
率直でスピード感のある文体で。

【素材】
(上と同じ素材を貼り付ける)

経営層向け(役員・社長宛)

以下の素材をもとに報告書を作成してください。
読者は役員・経営陣です。
- 結論を冒頭に置く(BLUF形式)
- 数字と事業インパクトを強調する
- 詳細な手順・技術的説明は省く
- 「なぜ今やるのか」を明確に

【素材】
(上と同じ素材を貼り付ける)

顧客向け(社外・取引先宛)

以下の素材をもとに報告書を作成してください。
読者は社外の顧客(発注側)です。
- 専門用語・社内略語を使わない
- 顧客のメリット・利益を前面に出す
- 丁寧で信頼感のある文体
- 曖昧な表現を避け、具体的な数字を使う

【素材】
(上と同じ素材を貼り付ける)

複数バリエーションを出して選ぶ

「どの表現が一番伝わるかわからない」場合は、複数バリエーションを出して比較する方法が効果的です。

以下の提案書の冒頭段落を、3パターン書いてください。

【内容】
(伝えたいことを箇条書きで)

【3パターンの違い】
- パターンA:コスト削減を前面に出す
- パターンB:リスク回避・安全性を前面に出す
- パターンC:競合との差別化・将来性を前面に出す

読者は経営会議の参加者(役員5名)です。

3パターンを見比べることで、「どの切り口が刺さるか」を判断しやすくなります。

つまづきポイント:生成された下書きが「それっぽいが薄い」

素材として渡す情報が少ないと、Claude は当たり障りのない文章を生成します。「具体的な数字」「固有名詞」「比較対象」を素材に含めると、一気に内容が充実します。たとえば「コストが削減できる」ではなく「月次コストが現在の30万円から20万円に削減できる」のように。


「振り返り」は人間がやる——これが唯一の黄金律

ここが、この記事でもっとも大切なセクションです。

AI が書く「振り返り」には意味がない

Claude は日報を上手に書きます。要約・整形・体裁の整えはAIが得意です。しかし「振り返り」だけは、AIに任せてはいけません。

日報ツール「nippo」を作った開発者 nwiizo 氏は、自身のブログ記事でこう言っています。

「思考・努力・羞恥心まで外注してはいけない」

自動生成された振り返りを読んでも、何も残らない——そういう感覚を経験したことがある方もいるはずです。事実の要約は機械にできますが、「なぜうまくいったか」「何を感じたか」「次回どうするか」という内省は、人間にしかできません。

これは「AIに頼るな」という話ではなく、むしろ逆です。書く手間を AI に任せるからこそ、振り返りに使う時間と精神的余裕が生まれるのです。

コルブの経験学習サイクル

心理学者コルブは、経験が学びに変わるには4つのステップが必要だと言っています。

  1. 経験する — 何かをやってみる
  2. 省察する — 起きたことを振り返る
  3. 概念化する — 何が機能したかを理解する
  4. 実験する — 次の行動に活かす

AIが担えるのは「1」の記録整理だけです。「2〜4」は人間の仕事です。

「振り返りの問い」をAIに出させる

では、振り返りはどうやればいいのか。

おすすめは「AIに問いを出させ、人間が5分で答える」形式です。

以下の今日の日報をもとに、私が振り返るための問いを3つ出してください。

【今日の日報】
(Claude が生成した日報を貼り付ける)

【条件】
- 「何をやったか」ではなく「なぜそう判断したか」「何を感じたか」を深掘りする問い
- 表面的な感想ではなく、行動・思考のパターンを発見できる問い
- 答えるのに5分以内で済む具体的な問い

出力例:

  • 「A社の資料修正に2時間かかった。想定より時間がかかった原因は何だと思いますか?」
  • 「Bさんへの確認依頼を今日まで後回しにした。何が障壁になっていましたか?」
  • 「今日最も集中できた時間帯はいつですか?その環境や状態に共通点はありますか?」

この3つに答えるだけで、翌日への具体的な改善策が見えてきます。

「省察ノート」を日報に添えるだけでいい

振り返りは立派な文章にする必要はありません。問いへの答えを3〜5行書くだけで十分です。日報の末尾に「今日の気づき」という1セクションを設けて、そこに書き留める習慣にするとシンプルに続けられます。


コピペで使えるプロンプト集

日報(基本)

今日の作業メモをもとに日報を作成してください。

【作業メモ】
(箇条書きで)

【フォーマット】
■ 本日の業務:
■ 成果・進捗:
■ 課題・懸念:
■ 明日の予定:
■ 所感:

【条件】全体300〜400字。事実ベースで。感想・励ましの言葉は不要。

週報

今週の作業メモをもとに週報を作成してください。

【作業メモ(月〜金)】
(各日のメモを箇条書きで)

【フォーマット】
■ 今週の成果:
■ 進行中のタスクと進捗:
■ 課題・懸念事項:
■ 来週の計画:
■ 所感・学び:

【条件】全体500〜700字。数字があれば具体的に記載。

月次報告

今月の活動をもとに月次報告書を作成してください。

【今月の主な活動・成果(箇条書き)】
()

【数値目標と実績】
目標:()
実績:()

【課題と来月への改善策】
()

【フォーマット】
■ 今月のハイライト(3項目以内):
■ 目標達成状況:
■ 主な活動と成果:
■ 課題・反省点:
■ 来月の重点課題:

【条件】役員・マネージャー向け。800字以内。結論を先に。

提案書の下書き

以下をもとに提案書の下書きを作成してください。

【目的】
(何を承認・実現したいか)

【背景・現状の課題】
(なぜ今これが必要か)

【提案内容】
(具体的に何をするか)

【期待効果・メリット】
(数字があれば)

【コスト・リスク】
(把握しているものを)

【読者】
(誰が読む文書か)

【構成】
1. 要旨(結論と要点を3行で)
2. 背景・課題
3. 提案内容
4. 期待効果
5. リスクと対策
6. 実施スケジュール(案)

【条件】全体1,000〜1,200字。専門用語は最小限に。

振り返りの問いを生成する

今日の日報をもとに、私が5分で答えられる振り返りの問いを3つ出してください。

【今日の日報】
(日報テキストを貼り付ける)

【条件】
- 「何をしたか」の確認ではなく、「なぜ」「どう感じたか」「何が学べるか」を問う
- 答えは3〜5行で済む具体的な問い
- 自分のパターンや成長に気づけるような問い

次のステップ

日報・週報の仕組みが整ったら、次はメールや朝のブリーフィングにも Claude を活用してみましょう。